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A.I.
A.I. Artificial Intelligence
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監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚本 イアン・ワトソン
スティーヴン・スピルバーグ
製作 スティーヴン・スピルバーグ
キャスリーン・ケネディ
ボニー・カーティス
製作総指揮 ヤン・ハーラン
ウォルター・パークス
出演者 ハーレイ・ジョエル・オスメント
ジュード・ロウ
フランセス・オコナー
音楽 ジョン・ウィリアムズ
編集 マイケル・カーン
配給 ワーナー・ブラザーズ
公開 2001年6月29日 アメリカ合衆国の旗
2001年6月30日 日本の旗
上映時間 146分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $100,000,000[1]
興行収入 $78,616,689[1] アメリカ合衆国の旗
9,700,000,000Yen[2] 日本の旗
$235,926,552[1] 世界の旗
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A.I.』(A.I. Artificial Intelligence)は2001年のアメリカの未来版ピノキオ物語のSF映画。

概要[]

元々は、スタンリー・キューブリック監督の企画であったが、キューブリックが死去したため、スティーヴン・スピルバーグによって監督された。ただしクリスティアーヌ・キューブリックとスピルバーグ本人によると、キューブリックは元々監督をスピルバーグに任せ、自身は製作に回る予定だったらしい。その後、スピルバーグは監督を任せるとキューブリックに言われたとき、1度は断り、キューブリックが監督することになったという。

キューブリックは1970年代より、原作となる「スーパートイズ」の映画化の計画を持っていたといわれ、1983年に正式に原作者から映画化に関する権利を取得した。

1990年代初頭には、後に『ジュラシック・パーク』で少年ティムを演じたジョゼフ・マゼロを起用してキューブリック自らテスト撮影を行ったが(これは関係者が認めている)、本撮影に入る前に話が消滅。この時点で既にキューブリックとスピルバーグはこの映画の制作に関する話し合いを複数回持っていたとされる。

キューブリックの死後、一度は企画が白紙になりかけるが、キューブリックの遺族の強い希望でスピルバーグが製作を引き継ぎ、監督だけでなく自ら脚本を執筆する事となった。スピルバーグ自身、キューブリックの原案を変えたくなかったため、キューブリックの遺志を尊重した監督を行ったという。そのため、他のスピルバーグ監督作品とはかなり異質である(そもそも、スピルバーグが「母親と息子」という構図を用いること自体非常に珍しい)。この脚本はオリジナルとは百箇所近くも異なっている部分があるにも関わらず、オリジナルにある根本的なものは全く揺らいでいないと、製作総指揮のヤン・ハーランは絶賛している。

最終盤に登場する半透明・人型のキャラクター(クレジットには「スペシャリスト(専門家)」と表記)を宇宙人と誤解している評論も見かけるが、メイキング映像によるとあのキャラクターは、絶滅した人類の遺物であるロボット=デイビッドよりはるかに高度に進歩したA.I.という説明がなされている。スピルバーグ曰く「アナログはいつか滅び、デジタルが生き残る。なぜならデジタルは劣化しないからだ」。

なお、「スペシャリスト」が絶滅した人類について語る台詞に"space-time"(時空)という単語が2度出てくるが、日本語字幕作成者の戸田奈津子はこれを「宇宙時間」と誤訳している。

あらすじ[]

地球温暖化が進んで一部の海に近い土地が沈み、妊娠・出産に厳しい許可制度がしかれ、人間の代わりに多くの資源を必要としないロボットが活躍する未来。その時代に人間と同じ愛情を持つ少年型ロボットとして開発されたデイビットは、彼を製作したロボット製造会社の社員、ヘンリーとその妻モニカの元へ試験的に送られる。起動させたモニカを永遠に愛するよう、元々変更がきかないようにプログラムされたデイビットだったが、間もなく難病のため長い間冷凍保存で眠っていた夫妻の実の息子、マーティンが目を覚ます。マーティンが家に戻るとモニカはデイビットよりもマーティンの方に特に愛情を注ぐようになった。ある日、マーティンの生命に関わる事件が発生し、デイビットは森に捨てられる。そしてデイビットは、再び母に愛されることを目的に玩具型ロボットのテディ、森で出会ったセックス・ロボットのジゴロ・ジョーと共に旅をする。それから2000年が経ち、地球は厚い氷に覆われ、人類は絶滅していた。海底で機能停止していたデイビットは、より進化したデジタルのA.I.に再起動される。進化したA.I.達はデイビットを歓迎し、デイビットは彼らにモニカを望む。技術が発達しているその世界ではクローン技術も進歩していたが、クローン人間は一日しか命が持たない。それでも希望を捨てなかったデイビットはその一日だけモニカと過ごし、デイビットも人間と同じように永遠に眠った。

スタッフ[]

  • 製作:スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディボニー・カーティス
  • 監督・脚本:スティーヴン・スピルバーグ
  • プロダクション:アンブリン、スタンリー・キューブリック
  • 原作:ブライアン・オールディス「スーパートイズ」(1969年発表)
  • VFX:インダストリアル・ライト&マジック
  • VFXスーパーバイザー:デニス・ミューレン
  • クリーチャー・スーパーバイザー:スタン・ウィンストン
  • 音楽:ジョン・ウィリアムズ

キャスト[]

役名 俳優 日本語吹き替え
VHS・DVD TBS版
デイビッド ハーレイ・ジョエル・オスメント 常盤祐貴 上村祐翔
ジゴロ・ジョー ジュード・ロウ 大川透 成宮寛貴
モニカ・スウィントン フランセス・オコナー 紗ゆり 玉川紗己子
ヘンリー・スウィントン サム・ロバーズ 井上和彦 寺杣昌紀
マーティン・スウィントン ジェイク・トーマス ? 宮谷恵多
アレン・ホビー教授 ウィリアム・ハート 仲野裕 菅生隆之
ジョンソン=ジョンソン卿 ブレンダン・グリーソン ? 池田勝
”テディ”の声 ジャック・エンジェル 大平透 銀河万丈
”Dr.ノウ”の声 ロビン・ウィリアムズ 小川真司 岩崎ひろし
”スペシャリスト”の声 ベン・キングスレー 青野武
”ブルー・メカ(青い髪の妖精)”の声 メリル・ストリープ
”コメディアン”の声 クリス・ロック

評価[]

本国のアメリカでは興行的に失敗に終わったが、日本では興行収入96.3億円と大ヒットを飛ばして製作費を楽々と回収した。これはアメリカでは難解な哲学映画としてマーケティングされたのに対し、日本では「母とロボットの愛」として宣伝されたことに由来する。従って実際には日本の宣伝のような母とロボットの愛の表現はほとんど登場しない。この結果を受け、スピルバーグは日本のマーケット的価値をより重視するようになる(スピルバーグ製作の「硫黄島」2部作もその流れの中にあると言える)。

2001年のアカデミー賞では視覚効果賞、作曲賞にノミネートされたが、いずれも受賞は逃がしている。

楽曲[]

「モニカのテーマ」と題されたエンディング曲でソプラノの歌声が聴ける。ヴォカリーズ(歌詞が無い)という形態はハリウッド映画の音楽では珍しいものであろう。ソロを担当したのはアメリカのソプラノ歌手バーバラ・ボニーである。ボニーが得意としていた役の一つに『ばらの騎士』(R.シュトラウス)のゾフィー役があるが、『ばらの騎士』のワルツ音楽も『A.I.』劇中で使用されている(下記)。R.シュトラウスは『2001年宇宙の旅』で知名度を上げた交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』の作曲者でもある。

『ばらの騎士』の音楽を使う事はキューブリックの遺志だったが、どの場面で使うべきまでは伝わっておらず、最終的には音楽担当のジョン・ウィリアムズの独断でルージュ・シティに主人公達が入っていく場面で30秒間だけ使われた。

ギャラリー[]

脚注[]

外部リンク[]